伊勢志摩旅行記2

志摩が好きなのは何と言ってもシーズンオフの静けさだ。静かなのが好きで小田原に引っ越したが、小田原だって十分都会だし、観光地だから、土日は賑わっている。シーズンオフの賢島には本当に誰もいない。ホテルの朝食にも5組しか来ていなかった。

志摩観光ホテルは会社の福利厚生で安く利用できることが多く、お気に入りでもあるので、今回で3回目。ちゃんとしたサービスと美味しい料理、静かな環境、誰もいない英虞湾、これは最高である。

朝食を済ませて近鉄特急で伊勢市に向かう。今回は作法通り、まず伊勢神宮外宮から。参道にはなんともレトロで下品な店が並んでいるが、外宮の森は神聖なる静けさが漂っている。

そもそも伊勢神宮とは、2000年以上前、だから卑弥呼より前、つまり神話の時代に、天照大神(これをテンテルダイジンと読んだ高校生がいたそうだ。笑える)を祀って建立されたらしいが、由緒もはっきりしないのだそうだ。とにかくそんなにも長い時間、神聖な場所として大切にされてきているから、そういうスピリチュアルな雰囲気そのものになっている。

日本に一つぐらい、携帯電話をかける気にならないような、侵しがたい場所があってもいいだろう。それに、「この戸の向こうには、天照大神がいらっしゃる」と想像するのは楽しい。キリスト教など一神教の神は、具体的には捉えがたく、手の届かないものであるような気がする。

バスで内宮へ。ここには美しい川、五十鈴川が流れている。というか、流れているという動きを感じないくらい、静かで美しい川である。そして白い神馬がいる。別世界である。

参拝のあと、定番のおかげ横丁に行く。ここでは伊勢うどん赤福を食べる。伊勢うどんは、一見「不味そう」だが、甘辛くて元気の出る食べ物だ。どうも名古屋近辺の食べ物は、一見不味そうとか、聞いただけで不味そうな感じなのだが、食べてみると実に美味しいということが多い気がする。