料理は段取り

料理は得意ではない。とはいえ、少し前からほぼ毎日、料理をするようになった。外食や弁当より、安くて、栄養のバランスがよく、美味しいものが食べられると思っているからだ。

最初はイヤイヤやっていた。皮をむいて、切って、ゴミを捨ててというのが面倒くさくてならない。

最近はそれほど面倒に思わなくなった。慣れたのもあるが、たぶん

「料理は段取り」ということが分かったからだ。

ある日TVで土井善晴先生が

「あわてないで、全部段取りして準備しておいて、ゆったりやったらよろしい。あなたたちは、あわてるからいけない」

みたいなことを言っていたのだ。そのことを考えていて、納得した。

つまり、料理というのは作業であり、工程である。一つ一つの作業は、計画され、準備されていなくてはならないのである。

具体的に言うと、たとえばジャガイモの皮をむくならば、

ジャガイモを洗う→ザルにあげる→皮をむく→芽を取る→むいたジャガイモをバットに入れる→むいた皮を捨てる、という一連の作業になるので、

まず洗ったジャガイモを入れるためのザル、むいた皮を入れるためのごみ入れ(新聞紙とか)、皮をむいたジャガイモを入れるためのバット、ピーラー、ジャガイモの芽を取るためのナイフ、これらをすべて用意してから作業に臨むのである。

ここで、バットを省略しようとか、同じものに全部入れてすませようとか、横着をしてはいけない。道具はどんどん使うべし、なのだ。

そして、むいたジャガイモと他の野菜は、別にして、作業場からよけておく。

このように他の野菜や肉も、切っていく。

「材料を切る」という作業が終了すると、それぞれの材料がバットに切られて入っているわけである。そこから、煮るなり炒めるなりという工程に入っていくのである。

この「準備して片付けながら作業していく」というのが、案外と、できない人が多いんじゃないかというのが、最近気がついたことだった。

何より、あわてて作業を急ぐと、失敗するし、楽しくないのだ。

多少、食事の時間が遅くなってもいいので、段取りして準備して、正しく作業するのが、料理を好きになる秘訣だと思う。