小淵沢の美術館

昨日は小淵沢で、キース・ヘリング美術館とアフリカン・アート・ミュージアムに連れて行ってもらった。
どちらも最近できたようだが、美術館としては、どちらも大きな立派な、意匠を凝らした建築であり、キース・ヘリング美術館のほうは、建築の賞ももらっている。
キース・ヘリング美術館は空間としてたいへん楽しい。イヌと人間とUFOと、わけのわからない模様が、ポップでサイケデリックな色調に踊っている。「かっこよくね?」という感じで、女の子がキャラクターとして愛好しそうである。私もイヌのキーホルダーぐらい持ってもいい。(しかし、そんなディズニーランドみたいな軽いものじゃないことは、見ればわかる)屋上も中庭も、キース・ヘリング的空間とするべく工夫を凝らしている。カビくさい古い絵を見るより楽しいので、また行ってもいいと思った。
そして、アフリカン・アートのほうだが、これは恐い。アフリカの様々な地域の、人間や水牛などのマスク(お面)が展示されているが、私のようにひ弱な文明人から見ると、呪い・湿気・病気・暴力・闇・死・魔術・・・といった言葉が連想され、ああ恐ろしい、となる。しかし恐ろしいものは美しくもあるし、人を惹きつける。そんなことを考えてしまう場所である。
しかし両方とも個人所有だというのが恐れ入る。自分が収集した貴重な作品を、小淵沢あたりにドーンとカッコいい美術館を建築して展示して、まあ採算は合わないけど、保管料はどっちにしろかかることだし、いろんな人に見てもらえたらそのほうが嬉しいかなという、お金持ちってすごいなあという話である。