男は「ええかっこしい」である

男は自慢するのが好きで、威張りんぼうで、どうしてあんたはそんなに自分を偉そうに見せたがるのと不思議になるが、そうかと思うと、笑ってしまうぐらい単純おバカなところもあるから、「アホ!」という感じで許せてしまったりする。

そんな、えらいステレオタイピングじゃないかと言われるかもしれないが、私の知っている男で、自慢しなかった奴は、本当に少ないのである。そしてそういう奴も、「ただの黙りんぼう」であったり、「自虐的な男」であったりして、あまり面白くない。もちろん、自慢もせず、黙りんぼうでもなく、自虐的でもない、まともな男性もいるのだが、私の経験では、数少ない。

それで今日はまた、本当に男は「ええかっこしい」だと思ってしまった。ええかっこしいとは、格好つけてるという関西弁。

とにかく、会社で私と話す時、言うことはみんなかっこいい。「逃げるわけにはいかない!」とか、「言うべきことは言う!」とか、啖呵を切っている。会社がいかにおかしくて、理不尽なことをしているか、誰がどうダメであるか、どうすべきだったかを、滔々と話せる。すごい弁が立つのである。

しかし、ひとたび社長の前に出たり、会議の席につくと、貝のように押し黙って、PCの画面を見つめていたりする。おいおい、あの啖呵はどうなったのよと思っても、目も合わせない。

これも、お笑いなのだ。まあ、そんなものだと思って、働くしかない。