芸術の必要性

またまた、宇野昌磨フィギュアスケートで、涙してしまった。こんなに若いのにこの子は、なんで芸術が人間には必要なのかを知っている、と思った。
芸術は生産行為ではない。カネやモノを直接、産み出すものではない。
しかし芸術は人間には絶対に必要なのだ。芸術がなかったら、人間は今よりもっと動物的な本能で行動し、もっとケンカしたり殺人したり、戦争したりするのだ。
芸術が与えてくれるものとは、
より高い理想への憧れ
世界はそんなに悪いものじゃないという希望
美しいものを美しいままにとどめたいという気持ち
未知の世界や未知の人間への興味と理解
時として人間が経験する強烈な感情の再現
世界に対する様々な捉え方、考え方の提示
などなど、人間が普通に日常を過ごしているだけでは、与えられないものを、芸術は与えてくれるのである。
むしろ貧しくて、絶望している人にこそ芸術は必要なのだ。
昌磨くんを押さえて一位になった選手は、ジャンプは軽々決めていたけれど、ブラック・スワンの悲哀や憎しみや栄光は一切、感じられなかった。だから昌磨くんが一位になる日は近いと思うのである(いつの間にかくん付けになっている)

そんなわけで今年の冬、ロンドンでもしジミーペイジに会えたら、あなたの芸術にはこういうものを感じさせる力がありますね、と言ってやる。間違っても、そろそろ着替えて他の服を着たら? などとは言わないつもりだ。。。